映画のパンフレットに製作日誌みたいなものがあるのは珍しいのかどうかわからないけど、こうして進行の感じを読ませてもらえると、撮影風景が想像できてとても楽しい。
製作日誌に合わせて、該当場面の写真を添付してみた。添付しながらまた制作日誌を読むとさらなに想像が膨らみ、作品への愛着、春馬くんへの想いがさらに深まる。
映画『奈緒子』パンフレットより
製作日誌、他。
Prodiction Note
2007.06.30(土) ●クランクイン
天候に恵まれ、順調なスタートを切る。長い走りのカットが続いたが、波切島高校駅伝部の部員たちはみんなヘロヘロになりながら元気に乗り切る。17時30分ごろ、猿岩前のシーンでこの日の撮影は終了。
このシーンからスタートだったのですね。西浦監督がまだ"鬼"になる前ですね。とにかく走りが速い!駅伝とは思えない速さ。
2007.07.01(日) ●合宿所での撮影
奈緒子役の上野樹里さんが合流。雨天を想定した撮影だったが、皮肉にも晴天に。島の天気は変わりやすく大変である。
曇りの感じ、多いですよね。
2007.07.02(月) ●西浦家
笑福亭鶴瓶さん演じる駅伝部の監督での部屋での撮影を予定していたが、あいにくの雨で撮影は難航。待機中に散らかり放題の壁に巨大なクモがいるのを発見し、上野さん、マネージャー役の佐津川愛美さんが絶叫する。1シーンを撮り終えたところで雨があがったので、屋外のシーンに切り替えるが、芝居の段取りを終え、いざシュートとというときになってまた大雨になり、撮影を断念。空が恨めしい。次のロケ先の病院に移動し、医師役の嶋田久作さんと鶴瓶さんのシーンを撮影。
病院は、西浦監督が余命を告げられる場面ですね。
2007.07.03(火) ●漁港
12歳の奈緒子を演じる藤本七海ちゃん、お父さん役の光石研さん、鶴瓶さんが漁港に現れ、海から救出された奈緒子を回想するシーンの撮影。時間の制限があり、慌ただしい撮影だったが、地元の人たちがエキストラで大勢参加してくれたおかげで、何か事件がおきたという緊迫感とリアリティが出たと思う。久しぶりに天気に恵まれた一日だった。
2007.07.04(水) ●壱岐家
前日の晴天がうその様に朝から雨模様で午前中は撮影不能。午後から、壱岐家で幼い奈緒子と雄介が出会う回想シーンを撮影。「父ちゃんを返せよ!」と詰め寄る10歳の雄介に扮した堤大貴くんの迫真の演技、顔を強張らせる七海ちゃんの芝居に目を見張る。
雄介のお父さんの仏壇にお線香をあげる奈緒子親子。「父ちゃんを返せよ」という、10歳の雄介の大貴くん、ほんとに迫真の演技です。そして、それを受ける奈緒子役の七海ちゃんの表情、お芝居、確かに素晴らしい。
2007.07.06(金) ●漁港(夜)
イカ釣り漁船が停泊する海で雄介が走るシーンを撮影。ストイックな春馬くん、どんどん本物の駅伝ランナーの様になってくる。
夜のこのシーンは未公開場面ですね。このころからストイックだった春馬くん!
2007.07.07(土) ●大浜海水浴場
波切島高校のランナー全員集合。バーベキューの肉にがっつく柄本時生くん、富川一人くんら若き俳優たちは若さに満ち溢れている。大浜の岩の上で西浦監督と雄介の「最後の大会」にむけての語り合いを撮影。崖上の撮影で怖かったが、コーチと選手の関係を超えた男同士の会話に心うたれる。そして、また雨。
コーチと選手を超えた男同士の会話、ほんとうにそう。雄介の父が他界したあと、父親変わりをしてきた西浦。その西浦も居なくなってしまうのは本当に悲しいこと、、、
2007.07.08(日) ●郷ノ浦
部員たちの練習シーン。古厩監督、ハイペースで走らせる。演技を超えたリアルな表情を撮りたいのだろうが、走らせすぎだよ。それを見ながらニコニコ笑う監督はドSである。夕方からは勝浦で西浦監督の病院のシーンを撮影。その合間に地元の人たちの写メやサインに気軽に応える師匠の人柄、器に大きさに感動。
この場面、、みんな本当に速い!私も古厩監督、ドSと感じるけど、、監督がドSになれたからこの感動は生まれたんでしょうね。これだけきつくても「監督の優しが表れる映画になるといいな、、」と語る春馬くん。涙。
2007.07.011(水) ●船上
幼い奈緒子と両親が、悲劇の起こる釣りへと向かう回想シーンを撮影。防波堤を走る大貴くんも良い走りをみせた。
大貴くん、ほんといい走りしてます!表情もいい!奈緒子のタイトルが出る映画冒頭のシーンに相応しい、ほんとうにさわやかな風になってる大貴くんです、髪型も春馬くんに寄せてるよね。
2007.07.15(日)~19日(木) ●壱岐パート終了
海に落ちた幼い奈緒子を雄介の父親が救助する遭難シーンの一連、合宿、部員たちの激走、部員たちが雄介に対して不満を爆発させるシーンなどの撮影を終え、壱岐パート終了!それにしても壱岐のイカはうまかった。
これは春馬くんが印象に残ったシーン。部員達が雄介に対し不満を爆発させるシーン。
2007.07.23(日) ●かきどまり競技場
猛暑の中、記録会の撮影。応援助監督がスタンドでの1000人以上のエキストラを見事なサービストークで巧に動かす。1500mと100mダッシュ、駅伝転向する前の雄介を撮影。
春馬くんの走りが本当に美しい。監督から"無邪気"な感じを出して、、と言われたとある。この記者のインタビューに応えるこの場面あたりに無邪気さ、出てるよね。
2007.07.24(火) ●女神天神
炎天下の中、カメラカーを使い、柄本時生くん演じる奥田の力強い走りを撮影。沿道のエキストラの方々が大声で応援。危険な場所での撮影だったが大規模な道路封鎖をして無事に撮影終了。
2007.07.28(土) ●クライマックス
スタートとゴールのシーンを撮影。雄介が綾野剛くん演じる黒田を抜き、ゴールするシーンは特に感動的なものになった。
感動的なゴールシーン。西浦にタスキを渡す感じ、、奈緒子を呼び寄せる雄介の手の感じが本当に良い!
2007.07.29(日) ●旭大橋下
雄介と黒田のデットヒートを撮影。前日の力走で春馬くんの疲労は限界に達していたが、根性でのりきる。上野さんも雄介を追いかけるシーンを熱演。
黒田とのシーンはどの場面も抜きつ抜かれつの、ほんとーーに、大変な走りななっている。汗。その分黒田との場面はどのシーンも感動的。綾野剛さんも春馬くんも物凄く頑張った結果が映像に出ていると思う。
雄介と黒田が走ったこの場所。偶然にも写真を送ってきて下さったMさん。同じ場所を歩きましたよーと。
雄介の走りが一番きつくなった場面で、奈緒子が並走するシーン。奈緒子に力をもらい
再び"行ってくる"と言い、スピードをあげ走り出す雄介。いい場面です。
2007.07.30(月) ●坂道
タモト清嵐くん演じる吉崎がキツイ坂道を激走するシーンを撮影するが、何本も繰り返すうちにバテバテに。みんなの体力も限界にきている。夜は長崎空港で西浦監督と奈緒子のシーンを撮影。
吉崎のシーンも良い!雄介の背中を追う練習を思い出し、走る吉崎。涙。いい走りをします。
2007.08.02(木) ●長崎最終日
路面電車を追い越すかのような雄介と黒田のデットヒートを撮影。道路を埋め尽くすエキストラのみなさんの応援にも力がはいり、「西部警察」ばりの大スぺクタルシーンに。でも、長崎は今日も雨だった。
路面電車と激走、並走。躍動感あふれる場面。
2007.08.09(木) ●クランクアップ
千葉県木更津での大会の残りのシーンを撮影。撮影の最後を締めくくるのはやはり雄介と黒田。元駅伝選手の綾野くんに春馬くんは気力でぶつかる。古厩監督のドSぶりも最後まで衰えず、ふたりを最後まで全力疾走させるが、その期待に見事に応えた春馬くんはこの日、本物の壱岐雄介となった。そして灼熱の木更津で古厩組『奈緒子』クランクアップ。暑く長い夏が終わった。
最後の最後に本当にきついシーン。最後まで全力疾走させるドS監督、、汗。(笑)本当に最後まで期待に応え、春馬くんは『本物の壱岐雄介』になった。ほんと、三浦春馬あっぱれだね。