新参者II。

For HARUMA。

部員達の汗と迫力に勝るものはない/奈緒子。(F‐Directer interview1)

 

 

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アメブロからの、「奈緒子」パンフレットの続き。あらためて読むと撮影同時の様子などがわかり、作品をより深く観ることができる。

 

三浦春馬の素晴らしい作品は他にもあるが「奈緒子」も、本当に大好きな作品だ。

 

 

 

春馬くんが、“走りにウソはない”、“走るのが本当に辛かった”と言っていた様に春馬くんや皆んなの本気の“走り”が感動に繋がった作品だと思う。

古厩監督も、奇をてらわず、彼らの“走り”をしっかり撮れば良いと言っている。 

 

そして、まだ駆け出しの高校生である春馬くんを“あいつ”と呼んでいるのも当時の感じがうかがえる。笑

 

 

行定監督が最後は“あいつは大物なんだよ”と言っていたが、、若い時から抜きん出ていたが故、小役のときのイメージがいつまでも残っていた様にも思う。歳の割に、老成し実力もあった春馬くん。行定監督が言う様に、もう少し大物扱いされていても良かった様に感じるわたしだ。

 

 

役になりきる為、様々な技術や体つくりを本物に近づける様、準備する。。。は、この『奈緒子』が原点となったのではないだろうか、、。

 

 

奈緒子」は、若き三浦春馬の初々しく、眩いばかりの躍動感を感じられる素晴らしい作品。

 

 

春馬くんが力強く生きている。

 

 

 

追記 

春馬くん、速いな~、、と思ったけど。。

駅伝なのに、、

やっぱり全力疾走だったんだね!(笑)

 

 

 

 

映画「奈緒子」パンフレットより

古厩監督Interview

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映画「奈緒子」の監督のオファーが来たまずどんなことをおもいましたか?

 

「“走る”のを運動として撮るのは面白いなと思ったんです。人が走っているところや移動していくのを撮るのが好きで、それでやろうかなと思ったんですよね。始めた時はそうでした。」

 

 

 


“走る”アクションだけを撮れば良かったわじゃないと思うんですけど、何に重点を置いて、どう物語を構築していこうと思いました?

 
「最初は奈緒子と雄介の運命の部分と、走る
駅伝部員たちの要素だけで映画にしようと思
ったんですけど、原作のことを考えると西浦
監督のエピソードも入れないわけにはいかな
くて。だから、もう三つ巴みたいになって難
かったですね。笑 ただ、生きていることも
青春もいつかは終わってしまうわけで。走る
ことにしても、ずっと走り続けているわけに
はいかないし、限りある時間であることは確
かなので、そのあたり西浦監督のことも含め
、一本筋が通れば良いなと思ったんです。
奈緒子」には、初恋の男の子のお父さんを
自分の不注意で殺してしまったと言う、昔の
赤い絆』のようなコテコテのメロドラマの
要素もあるじゃないですか?"駅伝"と"人生"
はなかなか繋げにくいのだけれど、そのメロ
ドラマの要素によってうまく繋がるような気
がしたんですよね。」
 
 
 
 

走るトレーニングかなり積んだんですよね?

 

「そうですね、陸上競技や駅伝、世界陸上
どの解説をされている元伝説の駅伝ランナー
・金哲彦さんに指導してもらい撮影前に二か
月半くらいは、走る練習をしたんじゃないで
しょうか。
三浦春馬なんか、トレーニングで腿に筋肉が
ついて脚のかたちが変わってましたもんね。
あいつ、たまに鏡で自分の脚みて『これキー
プしたいんですよ』って言ってましたけど
(笑)。
やっぱり、脚は嘘つけないので、変わったこ
とでホントぽくなったのは良かったですね。
逆に彼らが走れるようにならなかったら、
撮れるものがなかったですもん。」
 
 
 
 

走るアクションをどういう風に映像で

見せていこうと思いましたか?

 

「CGとかを駆使グラフィックな画(え)作りと
いうのも考えたのですがそうじゃなくて(部員
たちの)気持ちが繋がっていくところをやれば
いいんだってことに途中で気づいて。
実際走り撮り始めると部員たちの迫力や汗に
勝るものはないんですよね。
奇をてらった撮り方をしたら返って失礼にな
るというか。
だから走ってくるのをしっかり撮る。
タスキを渡すところを分かりやすくとる。
それが一番いいと思ったんです。」
 
 
 
 
気持ちが繋がっていくように見せるには
どんな工夫を?
 
「映画に気持ちは映らないじゃないですか?
だからそこはお客さんに参加してもらうしか
ないですよね。
頑張れー!とか(タスキが)繋がって良かった
ってお客さんが思ってくれて、その感情の
動きと映画の主人公の心の動き、"走る"とい
う目に見えるアクションの3つが嚙み合えば
いいんだろうなと、思ってました。」
 
 
 
 
ドラマチックに演出したい部分もあると
思うんですが、その匙加減は?
 
「大仰にしようと思ったら、いくらでも大仰
になる題材なんで、あまりやりすぎないよう
にとは思っていました。
でも長崎のホテルに部員の子たちを2週間位
ずっと閉じ込めておいて、その間撮影なしっ
て状態だったんですよ。どうしてもスケジュ
―ルが組み難い、鶴瓶さんや樹里ちゃんの
シーンから撮っていくので。だから、かれら
は、10日ぶりくらいに撮影に出てきたわけで
す。そうすると、力がありあまってるから、
こっちが『分かった』って抑えなきゃいけな
いほど『雄介~!』とか『タスキを~!』と
か大声で叫びまくって。タスキを繋いだあと
もみんな転びまくってましたね。(笑)」
 
 
 
 
部員のキャスティングはどういうところを
ポイントに決められていったのですか?
 
奥田(柄本時生)だけはちゃんと演技ができる奴
をと思っていたんですけど、あとはそれぞれ
のキャラクターごとに選ぶのではなく、とに
かくいっぱい会って、面白い奴を振り分けて
いくようにしました。みんな、ちょっとしか
個性を発揮できる芝居場はないわけだから、
それなら面白い顔、面白いキャラクターの奴
を残して、それをハメていった方がいいと
思ったんです。
 
 
 
 
雄介のライバルである、
黒田役の綾野剛さんも魅力的ですね
 
彼は実際駅伝を走っていた子で、岐阜の大会
でいい成績を出しているんですけど、筋肉や
走るフォームの説得力がやっぱり違っていた、
中野裕之監督が撮った『全速力海岸』という、
彼が剣道の胴着をるけて浜辺を走るだけの短
編があって、綺麗な走りをしていたんです。
それで、会ったら走りの説得以上にいい奴で
、そういうところもよかった。
悪いライバルには簡単に勝てそうじゃないで
すか?いい奴の方が負けちゃうかな?って思
えるし、彼なら『オレが勝つ!』みたいな大
袈裟な芝居じゃなく、ちょっとしたことで
キャラクタ―が作れると思ったんです。
 
 
 
 
撮影中に事故やケガはなかったのですか?
 
今回いちばん何がよかったって、ケガがな
かったことですね。絶対に誰かが転んでケ
ガをすると思っていたんですけど、本当に
なくてよかったです。
車での移動撮影では、部員たちも動いてい
るし、こっちも動いているし、危ないです
よね。そうそうあの7人の集団が走っている
のを車で移動しながら撮った時、すごいき
つい坂道で彼らが車を追い越していく設定
だったんですけど、カメラは最後にひとり
遅れている吉崎(タモト清嵐)を狙っている
から、追い越した部員たちは右側に逃げる
わけにもいかないし、結局、カメラに写っ
てないのに車の前を走りずづけるしかなか
ったんですよね。
その時、時生が練習不足で走れなくて、
ガーと遅れはじめて。そのままだと逃げる
場所がないから、轢かれちゃうんですよ。
(笑)
それで、みんなで時生の背中を押して
『もう少しだから』って言って走り切った
んですよね。
 
 
 
 
あれはどれくらいの速度で
走っているんですか?
 
時速27Kmぐらいですね。駅伝は時速27Kmの
スピードでなんか絶対走らないんですけど、
それ以下だと撮ってても迫力がでなくて。
それで速くしてったら、どんどん速くなっ
ちゃって。(笑)全力疾走でしたね。
 
 
 
追記
綾野剛さん、監督がいいヤツだと、、。
いまは色々あるのかもですが、
たしかに、
メイキング映像を観ると、
春馬くんを気遣う様子、たてる様子が
うかがえます。
はなから、悪いって人はそうは
いないんですよね、、、